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平成13年度大阪商工会議所事業計画



○基本的な考え方
○重点事業
○重点項目

基本的な考え方

 21世紀に入り、わが国は、グローバル化、少子高齢化、資源循環型社会への移行、IT革命の急進展により、産業革命以来の歴史的大転換期を迎えている。われわれは英知を結集してこれらの環境変化に対応すべき明確な道筋をつけ、明るく希望に満ちた経済社会を構築していかねばならない。それには、既存の制度や枠組みにとらわれることなく、さまざまな分野で創造的破壊を断行し、新たな活動基盤を整備していくことが求められている。

 こうしたなか、大阪が現下の閉塞状況を打破し、新しい世紀に力強く羽ばたくためには、現状に甘んずることなく自らのポテンシャルを再認識し、それらを最大限に活かす不断の努力が不可欠である。

 こうしたことから、本会議所は、「交流から創造へ」のスローガンのもと、「都市」「産業」「人」これら3つの側面から「大阪経済新生」の目標達成に向けて引続き取り組む。とりわけ、大阪を世界にアピールする絶好の場となる2008年オリンピック大阪招致活動を強力に支援するとともに、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開業、東アジア競技大会、世界観光機関(WTO)総会の開催を契機として、集客力の向上や安全・快適な都市環境整備に取り組み、内外の人々を惹きつける磁力の強化をめざす。また、ITやバイオ分野におけるベンチャービジネスの育成・振興に一層注力するとともに、5月にオープンする「大阪企業家ミュージアム」の運営に全力を傾注し、起業・人材開発の環境を整備する。一方、IT化や環境問題への対応支援、産学官の連携による技術移転、M&Aの仲介などにより中小企業の経営革新を促す。

 この間、時代の潮流を見据え、オピニオンリーダーとして企業環境の整備や地域活性化に資する提言活動を積極的に行うとともに、常に会員第一の観点に立ち、多様な交流機会の創出により会員のビジネスチャンス拡大に資する事業の開発・実施に努めるなど、会員サービスを強化する。


重点事業


1.提言・要望活動の強化

(景気対策、中小企業対策等に関する政策提言・要望等)

 景気の自律的回復への道筋を確かなものとするため、実効ある経済政策の実施とともに、中小企業の活力増進に向けた環境整備や商業の活性化など中小企業対策の機動的発動を求める。
(21世紀の経済社会構築のための調査・研究、提言等)
 活力ある経済社会を構築する上で必要な税制、社会保障、雇用システム、地方行政効率化などについて調査・研究を進め、実効ある提言・要望活動を積極的に行う。


2.都市力の創造・強化

 (集客力・都市機能の向上)

 大阪を世界にアピールする絶好の機会となる2008年オリンピックの大阪招致実現を強力に支援する。あわせてユニバーサル・スタジオ・ジャパンの開業を大阪の知名度向上と映像関連産業の集積につなげるため、映画やコマーシャルのロケ誘致のためのワンストップ・サービス機能を担う「大阪ロケーション・サービス協議会」の活動を強化する。その一環として、大阪のプロモーションビデオ制作のため、南カリフォルニア大学映画学科の学生2名を5週間大阪に招聘する。また、9月末に大阪で開催される世界観光機関(WTO)総会に協力するとともに、海外のメディアや観光関係者に大阪の観光魅力をPRする。このほか、集客機能を一段と強化する見地から、事業の拡充や人材・資金の有効活用が見込まれる在阪観光関係団体の統合を推進する。
 一方、関西国際空港の国際競争力強化はじめ今後の事業推進方策の検討に積極的に関与するとともに、同空港の利用促進活動に取り組む。また、「新しい時代の御堂筋」協議会のアクション・プログラムの実現に向けて、大阪の顏である御堂筋を多くの人々が集う交流と創造の舞台として賑わいを創出するなど、大阪都心部の活性化を推進する。あわせて魅力ある都市づくりの一環として、大阪の交通体系を見直し都心部の交通環境改善に資するとともに、安全で快適なまちづくりを進める。さらに、資源循環型社会構築のため、「プラスチック・リサイクル事業」を推進するとともに、容器包装リサイクル事業を支援する。こうした取り組みを通して、大阪の都市格の向上を図る。
(まちづくり・商業活性化)
 意欲と行動力のある商業地域をモデルケースとして、地域住民との交流や来街者にとっての魅力づくりなどを通して地域活性化に取り組む。また、インターネットを活用して「消費者モニター調査」を実施し、大阪圏住民の消費動向を把握することにより、小売業者の事業機会の創出とまちづくりを支援していく。さらに、商店街・小売市場の再生策の一つとして、高齢化社会対応への取り組み事例を引続き調査研究する。


(外国企業などの誘致)

 外国企業の大阪でのビジネス展開に必要な情報を一元的に提供するワンストップ・サービスセンター「大阪外国企業誘致センター(仮称)」を、大阪府、大阪市と連携して本会議所内に開設、運営する。
3.産業力の創造・強化

(ベンチャービジネスの育成・振興)

 新規開業ならびにベンチャービジネス育成のため、「大阪エンタープライズ支援機構」および「大阪中央地域中小企業支援センター」の運営を強化する。とくに、今後のリーディング産業として期待されるITとバイオ関連分野に注力する。IT分野では、「情報家電&ウェブ・携帯ビジネス振興フォーラム」の運営により、大阪に集積する家電産業のノウハウを活用して、投資に値するITベンチャーの発掘、育成に取り組む。また、大学のもつ最先端のワイヤレス技術の産業界への移転をめざした「ワイヤレス・マルチメディア・フォーラム」の運営にも力を入れる。この一環として、次世代携帯電話サービスによる新たなビジネスモデルを探るため、「欧州携帯電話市場視察会」を実施する。

 一方、バイオ分野では、新薬開発や遺伝子治療等に取り組むベンチャーを育成するため、「バイオビジネスコンペJAPAN」を継続実施する。加えて、ゲノム創薬、遺伝子治療の開発等に関係研究機関が共同して取り組む体制を確立するため、研究機関相互を高速大容量で結ぶ「バイオ情報ハイウェイ構想」の推進に取り組む。

 また、本会議所議員有志を主要メンバーとする「大商起業家発見塾」を通じて起業家をめざす人々に対する相談・指導・支援を行うとともに、映像・ビジュアル分野のクリエーター養成事業も継続する。さらにハイテク・ベンチャーの商談会「グローバル・ベンチャー・フォーラム(GVF2001)」では、ビジネスプラン発表企業の発掘を欧米からアジアまで広げることで、拡充を図る。

(中小企業のIT化支援)
 中小企業のIT化を支援するため、インターネットを活用した取引支援広域ネットワークである「ザ・ビジネスモール」を拡充するとともに、使い勝手の良い各種電子商取引市場の開設・運営を行う。インターネットプロバイダー事業や大商VAN事業も拡充する。また、「大商オープン・カレッジ」をはじめとする各種IT講習会を開催するほか、企業に出向いてITの活用相談に応じるITコーディネーターを増員する。
(中小企業対策の充実・強化)
(1)中小企業活力の増進
 中小企業の環境問題への取り組みを促進するため、環境の国際規格であるISO14001の認証取得支援事業を継続するほか、環境マネジメントシステムの構築に必須の内部監査員を養成する研修会および企業幹部対象の環境経営講座を開催する。また、少子高齢化時代への対応として、福祉ビジネスに関する商談、情報交換等の場を提供する「福祉産業フォーラム」を引続き開催するとともに、ケアサービス事業者の交流会を通してシルバービジネス振興策の検討を進めるほか、高齢者・障害者に配慮した製品・サービス開発セミナーの開催などを通じて福祉ビジネスの振興を図る。

 一方、企業の新分野進出などを支援するため、「非公開企業のM&A市場」の運営を強化するとともに、展示商談会「中小企業フェスタ」の拡充に注力する。また、中小企業の技術力強化に資するため、大学・研究機関の保有する研究成果を中小企業に移転する「産学官技術移転フェア」ならびに「ソシオ大阪」を充実するとともに、製品化につなげるため「技術交流クラブ」を開催する。

(2)小規模企業の体質強化(経営改善普及事業の充実)

 小規模企業の経営安定と体質強化を図るため、小企業等経営改善資金融資(マルケイ融資)の推薦を行うとともに、法律、税務、労務などの経営相談や経営改善講習会、経営革新セミナーなどにより経営改善普及事業の推進に努める。

(国際経済交流の推進)
 中小企業の国際ビジネス展開を支援するため、「世界ビジネスコンベンション(G−BOC2001)」を開催するとともに、サイバーG−BOCの具体化に取り組む。また、6月に韓国で開催される第2回世界商工会議所大会への参加にあわせて「韓国経済使節団」を派遣し、韓国の優れた産業の実態を探るとともに、提携関係にある釜山商工会議所との交流を深める。さらにアジアとの関係を強化するためアジア経済視察団(仮称)を派遣する。このほか、2002年3月には日中国交回復30周年を機に在阪経済五団体共同による訪中団を派遣する。
4.人材の創造・育成
 
(大阪企業家ミュージアムの開設、運営)
 「大阪企業家ミュージアム」を5月に開設し、記念事業はじめ企業家育成事業や企画展示事業を実施するなど、次代を担う企業家精神溢れる人材の育成機関として、その運営に全力を傾注する。また、企業家研究フォーラム(仮称)の設立、関西企業家映像ライブラリーの構築、学生・若手社会人を対象に“チャレンジ精神”の発揚をめざした人材開発パイロット事業などに取り組む。小中高校生を対象とした商業体験事業「キッズ・プログラム」も継続実施する。


(人材育成事業の強化)

 会員企業の人材育成の一助として、「会議所経営者大学」ほか各種セミナー、研修を充実するとともに、各種技能検定事業の実施および新規検定の開発に努める。「優良商工従業員表彰事業」は、表彰規則を新たな時代にマッチした内容に改めて実施する。


(人材の確保・流動化支援対策)

 人材の確保および流動化を支援するため、求人・求職情報のマッチングの場となる「大商人材情報交流プラザ」の運営を行うとともに、「人材情報交流会」および「大商就職フェア」を開催する。


5.会員サービスの向上と組織強化

(会員交流事業の拡充)

 多様な交流機会の創出により会員のビジネスチャンス拡大やヒューマンネットワーク構築に資するため、部会を通じた交流事業の強化はもとより、「会員の集い」や業種横断的なテーマ別の「大商ビジネス交流会」を適宜開催する。また、「企業広報のあり方研究会」を設置して、会員企業の広報担当者の交流を促進する機会を提供する。
(会員サービス事業の強化)
 会員企業の福利厚生に資するため、割安な価格で多様なサービスをアウトソーシング型で受けられる「CLUBCCI」事業の普及とともに、生命共済、個人年金共済、特定退職金共済、所得補償共済、がん保険、PL団体保険、中小企業倒産防止・小規模企業共済制度など各種共済制度の加入促進に努める。あわせて、成人病検診等健康管理事業を実施する。
 また、インターネットによる経営相談や無料電子メール配信サービス、大商ホームページを活用した会員企業の紹介など、電子媒体を通じた会員の利便性向上およびサービスの充実・強化に努める。
(各種情報提供の充実)
  「大商ニュース」(旬刊)、「チェンバー」(季刊)に加え、「大商メールマガジン」および本会議所のホームページの充実により、会員に有用な情報をタイムリーに提供する。また、商工図書館の利用促進とサービスの強化を図るほか、時宜に即した月例会員講演会、各種講演会等を開催する。
(会員の増強)
 本会議所の活動基盤を強化するため、会員増強運動に引続き取り組むとともに、21世紀の商工会議所会員制度のあり方について研究する。


重点項目

(○は新規事業)
1.提言・要望活動の強化

 1.景気対策、中小企業対策等に関する政策提言・要望等

 2.21世紀の社会経済構築のための調査研究、提言等

2.都市力の創造・強化

 1.集客力・都市機能の向上

・2008年オリンピックの大阪招致支援
・ロケ誘致事業の強化(大阪ロケーション・サービス協議会の運営)
○大阪プロモーションビデオ制作のための南カリフォルニア大学の学生招聘
・世界観光機関(WTO)大阪総会の開催協力
・集客機能強化のための観光関連団体の統合推進
・関西国際空港2期事業の推進と利用促進
・御堂筋の賑わいづくりなど、大阪都心部の活性化策の検討、実施
・安全で快適な都市環境づくりの推進
・大阪の交通環境改善に向けた調査・研究
・各種リサイクル事業の推進


 2.まちづくり・商業活性化

〇インターネット活用による「消費者モニター調査」の実施
〇商店街と近隣高校との交流による地域活性化事業の実施
○商店街・小売市場活性化ネットワーク事業の展開
・商店街・小売市場の「高齢化社会対応」取り組み事例研究


 3.外国企業などの誘致

〇外国企業向けワンストップ・サービスセンター「大阪外国企業誘致センター(仮称)」の設置、運営


3.産業力の創造・強化

 1.ベンチャービジネスの育成・振興

・大阪エンタープライズ支援機構の運営
・情報家電&ウェブ・携帯ビジネス振興フォーラムの運営
・ワイヤレス・マルチメディア・フォーラムの運営
〇欧州携帯電話市場視察会の実施
・バイオビジネス振興事業の展開(「バイオビジネスコンペJAPAN」、「バイオ情報ハイウェイ構想の推進」など)
・大商起業家発見塾の運営
・映像・ビジュアル分野のクリエーター養成事業の実施
・大阪中央地域中小企業支援センターの運営
・グローバル・ベンチャー・フォーラム(GVF2001)の開催
 2.中小企業のIT化支援
・「ザ・ビジネスモール」の拡充と各種電子商取引市場の開設・運営
・大商VAN事業の拡充
・インターネットプロバイダー事業の展開
・「大商オープン・カレッジ」はじめ各種IT講習会の開催
・ITコーディネーターの増員・派遣拡充
 3.中小企業対策等の充実・強化
(1)中小企業活力の増進
・中堅・中小企業向けISO14001認証取得支援事業の実施
〇ISO14001内部監査員養成研修会の開催
・環境経営講座の開催
・福祉産業フォーラムの開催
・シルバービジネス振興策の検討
〇高齢者・障害者に配慮した製品・サービス開発セミナーの開催
・産学官技術移転フェア、ソシオ大阪の開催
・技術交流クラブの開催
・非公開企業のM&A市場の運営
・中小企業フェスタの開催
(2)小規模企業の体質強化(経営改善普及事業の充実)
・小企業等経営改善資金融資(マルケイ融資)の推薦
・経営改善講習会、経営革新セミナーの開催
・法律、税務、労務、技術、貿易等経営相談の実施
 4.国際経済交流の推進
・世界ビジネス・コンベンション(G−BOC2001)の開催
○日中国交回復30周年記念関西財界訪中団(仮称)の派遣
〇アジア経済視察団(仮称)の派遣
〇第2回世界商工会議所大会への参加ならびに韓国経済使節団の派遣


4.人材の創造・育成
 1.大阪企業家ミュージアムの開設、運営

〇開設記念事業の実施
〇企業家育成事業の実施
〇企画展示の実施
〇企業家研究フォーラム(仮称)の設立・運営支援
・関西企業家映像ライブラリーの構築
・人材開発パイロット事業の実施
・キッズ・プログラムの実施
 2.人材育成事業の強化
・「会議所経営者大学」ほか各種セミナー、研修の実施
・優良商工従業員表彰事業の実施
・各種技能検定試験の実施、新規開発
 3.人材の確保・流動化支援
・大商人材情報交流プラザの運営
・人材情報交流会の開催
・大商就職フェアの開催


5.会員サービスの向上と組織強化
 1.会員交流事業の拡充

〇会員の集いの開催
〇大商ビジネス交流会の開催
〇企業広報のあり方研究会の開催
・部会を通じた交流事業の強化
 2.会員サービス事業の強化
・商工会議所CLUB CCI事業の展開
・生命共済、個人年金共済、特定退職金共済、所得補償共済、がん保険の普及、ならびにPL団体保険、中小企業倒産防止・小規模企業共済制度の普及
・成人病検診等健康管理事業の実施
・インターネットを活用した経営相談事業の実施
・無料電子メール配信サービスの実施
・大商ホームページを活用した会員企業の紹介
 3.各種情報提供の充実
・機関紙「大商ニュース」(旬刊)、機関誌「チェンバー」(季刊)の発行
・大商メールマガジンの発行
・ホームページの充実による情報発信力の強化
・商工図書館の利用促進とサービス強化
・月例会員講演会、各種講演会等の開催
 4.会員の増強
・会員増強運動の強化
〇商工会議所会員制度のあり方研究

2003.4.1更新
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